岩波文庫ベルクソン「時間と自由」を読む。 
何が書かれてあるのかを理解することに努める。
 

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序言から。
 
「持続と延長、継起と同時性、質と量とを混同していることをはっきりさせる」ことで、「自由の問題そのもの」が消滅する。その論証がこの本の最奥のテーマである。
 

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第一章から。
 
「感覚、感情、情念、努力」は「意識の諸状態」である。これらの「強さ」を、「大きさ」と同一視することに問題はある。「大きさ」は量である。「強さ」は量ではない。
 
「量は増減可能であり、そこには言わば<より大きいものに包まれているより小さいもの>が認められる。だとすれば、量というものはそのこと自体からしてまさに分割でき、またそのこと自体からしてまさに拡がっているものだということになる」
 
量は延長である。非延長的な意識の諸状態を量化することには矛盾があるが、我々は日常的にそれを行なう。例えば、日常的コミュニケーションとしての感情表現。
 
これらの意味は?
 
→意識の諸状態に量的な原因を求める方向。意識の科学的説明。
意識の諸状態を規定する量を、我々はその時、つまり当の意識の諸状態である時、知らない。我々は意識を直接意識する。