反哲学史 (講談社学術文庫)

反哲学史 (講談社学術文庫)

 
パラパラと読む。

                                    • -

いわゆる学校で教えてもらうような「哲学史」の内容でない。
「本質存在」と「事実存在」(実存)というキーワードを軸に読み解かれる哲学史。この点をポイントとして押さえるととても理解しやすい。

                                        • -

木田元の著作には上記の二つの概念がチラホラでてくる。
「本質存在」が「それが何であるか」をあらわし、「事実存在」は「それが(それとして)ある」ということをあらわす。
(著者は端的に前者を「デアル」、後者を「ガアル」と示す事もある)

                                      • -

中心テーマとしては、この両概念の平衡の歴史としての「形而上学」の歴史に対する「反」哲学はいかなるものであるか、が据えられ、その萌芽として、19世紀の思想家であるシェリングマルクスニーチェの三人が取り上げられている。